三月に降りたかった雪の王様

「フフフフ、人間どもめ、最近暖かくなって、わしの存在を忘れているな。」

雪の王は春を心待ちにする人々の笑顔に嫉妬している様でした。

「雪の王様、今日は私達の出動も許可願えますか？」

雪の兵達も王の出動命令を心待ちにしているようでした。

雪の王は目をつむり、少しの間、何か考えている様です。

雪の兵達は、雪の王の号令をわくわくしながら待っています。

「よし、決行だっ！本日は横浜に雪を降らすぞっ！」

雪の王は高々と右手を上げて、雪の兵たちに叫びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、降ろうっ！久しぶりに人間の驚く顔が見れるね。」

「そうだね、２月の終わりに降るなんて、横浜じゃ、めったにないもんね。」

雪の兵達は皆ニコニコしながら降る準備をしています。

そして雪の王は忙しく準備をしている、雪の兵達に話をしました。

「よし、雪の兵達よ、降る準備はできたか、これから私達は横浜の町に降る事となった！」

雪の王は胸を突き出し、勇ましく目標をつげました。

雪の兵達も大好きな雪の王の言葉に多いに湧きました。

「３月１日に横浜で雪が降ると言う、奇跡を起し人間達を驚かせてやるのだっ！」

「・・・・・・・・」

雪の兵達は言葉を失いました。

「おい、雪の王様はひょっとして知らないんじゃないか・・・・」

「あ、あー、今年は４年に１度の２月が１日多い日、うるう年だって事・・・」

雪の兵達はざわめき始めました。

「そうか、そうか、皆、楽しみなんだな、よしそれでは、早速、降る事にするか」

すっかり気を良くした雪の王は皆の先頭に立ち、雲のジャンプ台へと向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪の兵達も無言で、雪の王様についていきます。

誰も今日が３月ではない事を雪の王様に言えません。

雪の兵達は、雪の王様が大好きなのです。本当の事を言って、

がっかりする王様を見たくないのです。

「なー、なー、雪の王様に本当の事を言わないと、本当の事を知った時、もっとがっかりするんじゃないか。」

雪の兵の一人が皆に話しました。

「そうだなー、そして、本当の事を言わなかった僕たちを嫌いになるかも知れないね。」

「よし、本当のこと言おうっ！」

雪の兵の一人が王様を呼び止めようと、声をかけた時、雪の王様は皆の方に振り返り、ニカッっと笑って言いました。

「私が１ば～んのり～！！」

雪の王様は横浜の町へと降りました。

「あっ！雪の王様っ！！」

雪の兵たちも慌てて、次々に降りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪だ・・・雪が降ってきた。」

人間は大騒ぎです。

「フフフフ、まったく私の予想通り、人間どもは慌てておるわい」

雪の王は満足そうに微笑んでいました。

「それにしても、まさか２月の最後の日に大雪になるなんてね。」

人間達の話に王は自分の耳を疑いました。

「２月の最後の日・・・？」

混乱している雪の王様に、雪の兵が言いました。

「ごめんなさい、雪の王様・・・」

雪の王様は何が何だかと言う顔で、雪の兵を見ました。

「実は今日はまだ２月なんです。４年に１度のうるう年と言いまして、１日多い２月２９日なのです。」

雪の兵は涙を浮かべながら謝りました。雪の王は目を丸くして驚いています。

「雪の王様ががっかりすると思って、皆言えなかったんです。でも・・・・」

「わっははははー」

雪の兵の説明も最後まで聞かず、雪の王様は大笑いしました。

こんどは雪の兵たちが何が何だかと言う顔で、雪の王様を見ました。

「そうか、今日はそんな貴重な日なのか、こりゃー良い、最高だな！」

雪の王様は雪の兵の頭をなでながら、にっこり微笑んで横浜の町に降りました。

「雪の王様」

雪の兵たちは、こんな雪の王様がやっぱり大好きなのでした。

 

 

 

 

 

おしまい

って、何の話だい！意味わかんないし、全然、園芸と関係ないし！久しぶりに書いてると思ったら、童話だしっ！まじめにやりなさいよ、ブラックドッグ！！

 

本日の当店は白一色です。

 

 

 

 

 

 

雪をかぶった植物は寒そうに日差しを待っています。

そして売場のスタッフは寒そうにお客様を待っています。

そして、来店していただいたお客様へ、最高の笑顔で接客させていただいております。

 

咲いた赤い梅に、

白い雪、

風情があります。

 

 

 

 

今日は雪の王様が降らせた、気まぐれな雪ですが、春はもうやってきています。

暖かな日差しがのぞいたら、ぜひグリーンファームにお立ち寄り下さい。

 

 

ブラックドッグ・セレナーデ