新・近所探検物語Ⅱ
その「切通し」は
以外に早く姿を現した。
「おーっ、出たよ!すごーす、すごーす!」
私とKは現れた切通しをなでながら道を進んだ。
切通しはしばらく続いては消え、またしばらく進んでは現われると言う感じで、私達を楽しませた。その度に違う魅力を見せる岩盤は、山道を登る私達の疲れを忘れさせた。
看板地図があったので
方向を確認する事にした。
私達は自分達が進む方向を、予め持参した地図と途中にあった看板とで照らし合わせ確認をした。ここで間違えると、目指す八幡宮とは逆方向へと進む事になる。
「どう?間違いない?」
いつも人任せな私はKに確認を促がす。
「間違いないな、左に進めば八幡方向だよ。」
看板がある場所からの眺めは
栄区の方向でした。
「よしっ!行こう。」
私達は確認した方向に向かって歩き始めた。
みごとな切通し
テンションがMAX
幾つもの切通しを抜けると、風景が変わった。竹が目立つ。
「竹林だ。」
私は独り言の様に、Kに話しかけた。
「本当だ。」
Kも私に返答したのか、しないのか、自分で納得したかの様に返事をした。
竹林の向こうが、
少し賑やかだ。
「何か見えるよ・・・家・・だ・・・」
私はこの山道に突如現れた建物に戸惑いながら、Kに確認を促がした。
「家だよね?」
出迎えてくれた猫
近づくとそこは、峠の茶屋で私達より先に歩いていた人や、初詣を終えた人たちが、温かい飲み物やおでんを食べて休憩を取っていた。
私達はここでもう一度、地図を確認する事にして椅子に座った。座るとすぐにそれが当たり前の事かの様に、猫が擦り寄って挨拶をした。
続く
ブラックドック・セレナーデ